学会概要・沿革
学会概要
1.学会設立理念・目的
本会は高次脳機能とその障害の研究の発展を図り、関連学会と連絡を保ち、広く知識の交流を求めることをもって目的とする。
2.沿革
1969年 | 伊豆韮山温泉病院を中心に失語症を中心とする高次脳機能に関する研究会「韮山カンフアレンス」が発足。年1回学際的な研究会が行われた。 |
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1977年11月24日 | 「韮山カンフアレンス」を母体にして、「日本失語症研究会」が発足。年1回の学術集会などの活動が開始された。初代会長は相澤豊三 慶應義塾大学名誉教授。 |
1983年より | 「日本失語症学会」と名称を変更。 初代理事長は、長谷川恒雄 伊豆韮山温泉病院院長。 |
1998年 | 理事長は、加藤正弘 江戸川病院院長に交代。 事務局を江戸川病院に移設。 機関誌の発行、検査法の開発と普及、失語症全国実態調査の実施など幅広い活動を実施。 |
2003年1月より | 会の名称を「日本高次脳機能障害学会(旧 日本失語症学会)」に変更。 幅広く高次脳機能とその障害に関する研究を行いやすい体制を整えた。 |
2004年1月1日より | 理事長は、鹿島晴雄 慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室教授に交代。 |
2013年1月1日より | 会の名称を「日本高次脳機能障害学会」に変更。 |
2015年4月1日より | 「一般社団法人 日本高次脳機能障害学会」として登記。 |
2015年12月9日より | 理事長は、三村 將 慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室教授に交代。 |
2023年11月1日より | 会の名称を「日本高次脳機能学会」に変更。 |
3. 歴代代表者
(理事長) | 長谷川 恒雄 1983年10月~1997年12月31日 |
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加藤 正弘 1998年1月1日~2003年12月31日 | |
鹿島 晴雄 2004年1月1日~2015年12月9日 | |
三村 將 2015年12月9日~現在 | |
(会 長) | (第01回) 相澤 豊三 |
(第02回) 相澤 豊三 | |
(第03回) 大橋 博司 | |
(第04回) 大橋 博司 | |
(第05回) 植木 幸明 | |
(第06回) 植木 幸明 | |
(第07回) 祖父江 逸郎 | |
(第08回) 祖父江 逸郎 | |
(第09回) 保崎 秀夫 | |
(第10回) 長谷川 恒雄 | |
(第11回) 鳥居 方策 | |
(第12回) 豊倉 康夫 | |
(第13回) 植村 研一 | |
(第14回) 野上 芳美 | |
(第15回) 平山 恵造 | |
(第16回) 田中 美郷 | |
(第17回) 朝倉 哲彦 | |
(第18回) 濱中 淑彦 | |
(第19回) 加藤 正弘 | |
(第20回) 山鳥 重 | |
(第21回) 浅井 昌弘 | |
(第22回) 久保 浩一 | |
(第23回) 笹沼 澄子 | |
(第24回) 岩田 誠 | |
(第25回) 竹田 契一 | |
(第26回) 大東 祥孝 | |
(第27回) 鹿島 晴雄 | |
(第28回) 河村 満 | |
(第29回) 種村 純 | |
(第30回) 田川 皓一 | |
(第31回) 板倉 徹 | |
(第32回) 故 田邉 敬貴 代行 鹿島 晴雄 | |
(第33回) 石合 純夫 | |
(第34回) 中島 八十一 | |
(第35回) 浜田 博文 | |
(第36回) 藤田 郁代 | |
(第37回) 小林 祥泰 | |
(第38回) 森 悦朗 | |
(第39回) 故 加藤 元一郎 代行 三村 將 | |
(第40回) 武田 克彦 | |
(第41回) 立石 雅子 | |
(第42回) 種村 留美 | |
(第43回) 松田 実 | |
(第44回) 椿原 彰夫 | |
(第45回) 佐藤 睦子 | |
(第46回) 平山 和美 | |
(第47回) 鈴木 匡子 |
4.過去5年間の学会長氏名と基本テーマ
- ( )内は、学術総会開催時の所属、役職を記載
第42回会長: 種村 留美(神戸大学生命・医学系保健学域リハビリテーション科学領域運動機能障害学分野 教授)
総会URL:http://jshbd42.umin.jp/
- 会長講演:「神経心理リハビリテーションの原点 ―症例研究から核を見出す― 」
- 特別講演:「Neuropsychological rehabilitation:The Origins of Contemporary Practice」
- 最旬講演: 「コミュニティーにおける認知症のリハビリテーション」
- 教育講演1:「社会的行動障害のリハビリテーションの原点とトピック」
- 教育講演2:「我が国における全人的認知リハビリテーション ―実践から見た現状と課題― 」
- 教育講演3:「半側空間無視のリハビリテーションの原点とトピック~機能障害から生活障害へ~ 」
- 教育講演4:「生活に結びついた遂行機能障害のリハビリテーション」
- シンポジウム1:「コミュニティにおける高次脳機能障害のリハビリテーション」
1.高次脳機能障害者の回復は主体性がカギ
2.高次脳機能障害者の社会参加を支援する
3.当事者の「生き方」に触れながら支援を組み立てる
4.地域生活における当事者・家族のニーズと支援者としての関わり
- シンポジウム2:「失語症治療のパラダイムシフト」
1.認知神経心理学的アプローチにおける失語症治療の考え方
2.発話産生に対するアプローチ
3.失語症のニューロリハビリテーション研究
4.失語症コミュニケーション訓練の実際 ―集団プログラムを通して―
5.地域における失語症者への社会的支援 ~最近の動向~ - シンポジウム3:「記憶障害におけるリハビリテーションの原点とトピック」
1.記憶の神経基盤からみたリハビリテーションの可能性
2.記憶の神経ネットワーク:視床健忘からの洞察
3.展望記憶のリハビリテーションとトピック
4.認知症患者の記憶障害に対する適切な対応法 ―認知症ちえのわnet の結果から― - 招宴講演1: 「ヒトはなぜ酒を飲むのか? 生理学的見地から」
- 招宴講演2:(コーヒーブレイクセミナー) 「Flavor of Life~当事者が語る高次脳機能障害から珈琲マイスターまでの軌跡~」
- サンドイッチセミナー1:「神戸から始める認知症の人にやさしいまちづくり」
- サンドイッチセミナー2:「情景知覚と高次の情報処理過程」
- サンドイッチセミナー3:「表情認知の心理・神経メカニズム」
- サンドイッチセミナー4:「認知症診療に必要な脳画像の見かた:病理診断を踏まえて」
第43回会長: 松田 実(清山会医療福祉グループ顧問、いずみの杜診療所)
総会URL:http://www.congre.co.jp/jshbd2019/
- 会長講演:「患者さんと語り続けた40年」
- 教育講演:「言語と意味記憶:Cognitive Neurophysiology の立場から」
- Debate 企画:「case study か、mass study か」
- シンポジウム1:「高次脳機能障害者・認知症者の自動車運転を考える」
1.脳疾患・脳外傷における自動車運転再開・中止の手順
2.脳卒中,脳外傷等により高次脳機能障害が疑われる場合の自動車運転に関する神経心理学的検査法の適応と判断
3.実車評価について 国立障害者リハビリテーションセンターでの取り組み
4.失語症と運転
5.認知症と自動車運転- 改正道路交通法と臨床現場での課題 - シンポジウム2:「大脳機能の左右差から解く認知症の症候学」
1.導入講演:大脳機能の左右差
2.新皮質型アルツハイマー病:posterior cortical atrophy とlogopenic progressive aphasia
3.前頭側頭葉変性症:意味記憶と行動の左右差
4.レビー小体型認知症における症候の左右差 - 特別企画1:「山鳥論文を読む」
1.山鳥先生に学ぶ:言葉のふしぎ
2.Palpatory apraxia(触知失行)の今日的意味
Palpatory apraxia. Yamadori A. European Neurology 21:277-283, 1982 - 特別企画2: 「とっておきの蔵出し症例」
1.左被殻出血の5年後,脳梁病変により純粋語聾を呈した一例
2.身体パラフレニア(SP) を呈した左半球損傷の1例(第2報)
3.語義失語再考
4.クロイツフェルド・ヤコブ病により自己身体部位失認および着衣障害を呈した1症例 - 特別企画3:
「症例検討の夕べ 1」
1.語に選択的な二方向性障害を呈した脳腫瘍の1例
2.非失語性呼称錯誤と考えられた左視床梗塞の1例
「症例検討の夕べ 2」
1.両手間で異なる失書、数の障害を認めた脳室中枢神経細胞腫術後の一例
2.原発性で進行性の経過を示した道順障害の一例 - ワークショップ: 「若きセラピスト大いに語る」
1.この外国語様発話は何に由来するものか
― Foreign accent syndrome についての一考察 ―
2.視床失語とは何か ― 視床に特異的な注意機能と喚語の関係を考える ―
3.頭頂弁蓋部損傷による体性感覚障害
4.パーキンソン病患者のすくみ足における内的リズム形成障害と遂行機能の関連 - 神経心理学入門
- 教育セミナー1: 「失語のみかた」
- 教育セミナー2: 「失行のみかた」
- 教育セミナー3: 「失認のみかた」
- 教育セミナー4: 「記憶障害のみかた」
- 教育セミナー5: 「右半球症状のみかた」
- 教育セミナー6: 「機能解剖と画像診断」
- ランチョンセミナー1:「認知症診療における核医学検査の有効性」
- ランチョンセミナー2:「高次脳機能障害における画像診断の活用~神経変性疾患を中心に~」
- ランチョンセミナー3:「認知症とてんかん」
- ランチョンセミナー4:「心原性脳塞栓症の治療と予防はどこまで進んだか」
- 認知症セミナー1: 「認知症の診かた~実践的な認知機能検査の適応について~」
- 認知症セミナー2: 「認知症新時代~どこから来てどこに行くのか~」
第44回会長: 椿原 彰夫(川崎医療福祉大学 学長)
総会URL:http://jshbd44.umin.jp
- 会長講演: 前頭葉の可塑性と社会復帰への道
- 特別講演:
1.姿勢歩行制御における認知処理プロセスの関与 ~リハビリテーションへの応用~
2.失語をみる視点:最近のトピックス
3.日本語の特性と失語症セラピーのあり方
4.皮質脳波を用いた四次元脳機能マッピング
5.高次脳機能障害者の医療と福祉における意思決定支援
6.高次脳機能障害と自動車運転
7.高次脳機能障害と就労について - 招聘講演:
1.Holistic Neuropsychological Rehabilitation: what is possible online?
2.Addressing outcomes that are important to people with aphasia and making a difference in quality of life - 教育講演:
1.リハビリテーション臨床における高次脳機能障害
2.半側空間無視-病巣論・メカニズム論・治療法アップデート-
3.分配性注意と二重課題
4.認知症の生活・活動障害
5.ひらがなはいつまでにどれだけ習得されるのか?-ひらがな習得に関するレディネス
6.小児の遂行機能と発達障害
7.運動制御の理論モデルを背景にした神経心理学症状の理解
8.記憶の評価と記憶障害
9.認知症患者の食の問題を考える - シンポジウム: 「多様な臨床現場での社会的行動障害への支援」
1.外傷性脳損傷での社会的行動障害の特徴と支援
2.小児脳腫瘍における高次脳機能障害とその支援
3.小児後天性脳損傷の社会的行動障害
4.もやもや病における高次脳機能障害の特徴と支援
5.入所・通所訓練施設における重症例の支援 - トピックセミナー:
1.脳梗塞再発予防のための抗血栓療法
2.認知症とてんかん
3.An introduction to RehaCom. Personal experience of US Psychologist Al Borelli.
4.経頭蓋直流電気刺激の基礎と臨床応用の可能性-運動・感覚・高次脳機能障害へのアプローチ - 漢方教育セミナー: 認知症治療における漢方薬の位置づけ
第45回会長: 佐藤 睦子(総合南東北病院神経心理学研究部門 科長)
総会URL:https://site2.convention.co.jp/45jshbd/index.html
- 会長講演: 情動を揺り動かすもの、鎮めるもの ─高次脳機能障害対応の手がかりを求めて─
- 特別講演: わが国における高次脳機能障害支援の展望
- シンポジウム1: 地域における失語症支援の展開
- シンポジウム2: 臨床神経心理士:学会認定資格取得のお勧め
- シンポジウム3: 多言語話者の失語症
- シンポジウム4: 高次脳機能障害者の自動車運転:各地の取組み
- ミニ・セミナー1: 読み書き障害
- ミニ・セミナー2: 行為障害 ─道具使用動作の障害の見方─
- ミニ・セミナー3: 高次脳機能障害の世界をかいまみる:四半世紀診ている外傷性脳損傷者5名から学んだこと、10年前とこの10年
- ミニ・セミナー4: 加齢と高次脳機能障害
- ミニ・セミナー5: 失語症、そして復職:私の闘病経験
- ワークショップ: 謎解き実践講座
初級編(1) この失語症状への対応は?
初級編(2) 覚醒下手術の世界にようこそ
中級編(1) うつとアパシーを見極める
中級編(2) 神経症候の二重性:陰性症候と陽性症候
上級編(1) この認知症の本態は?
上級編(2) この言語症状は何?左前頭葉梗塞後に特異な経過を呈した
新造語ジャーゴンの一例 - ランチョンセミナー: バイオマーカー時代のアルツハイマー病の神経心理学
第46回会長: 平山 和美(山形県立保健医療大学 特任教授)
総会URL:http://www.congre.co.jp/jshbd2022/
- 会長講演: 感じる高次脳機能
- セミナー1: 核医学検査で覗く変性疾患の楽屋裏
- セミナー2: 半側空間無視の病態構造を捉える
- セミナー3: 脱抑制はなぜ起こる?
- セミナー4: 神経変性疾患における高次脳機能障害と画像・病理
- シンポジウム1: 高次脳機能障害者の自動車運転:運転行動上の特徴
1 軽度の半側空間無視症例における運転行動特徴
2 失語症者の運転上の特徴
3 高次脳機能障害者が評価場面で示す運転行動エラー
4 高次脳機能障害者の運転再開に向けた多職種連携による評価と指導 - シンポジウム2: 感じられない、感じてしまう、違って感じる 視覚
1 認知症の視空間認知障害:後部皮質萎縮症を中心に
2 パーキンソン病の錯視
3 輪郭線だけがわっとあるように感じる世界とは?
-実物/写真/線画はどう見えるのか-
4 発達性相貌失認を呈した症例の心の声を聴く - シンポジウム3: 感じられない、感じてしまう、違って感じる 人生
1 前頭葉損傷に伴うNurturing syndromeと妊娠妄想
2 在りし日の記憶がつくった妄想性誤認
- nurturing症候群がフレゴリの錯覚に移行した症例をめぐって –
3 バック・トゥ・ザ・ハイスクールデイズ
4 age-awareness障害と第三脳室 – 覚醒下開頭術中に急激な若年化を呈した症例から - シンポジウム4: 脳画像で探るパーキンソン病
1 パーキンソン病の嚥下障害
2 嗅覚検査と脳画像でせまるパーキンソン病の認知機能障害
3 パレイドリア:パーキンソン病における錯視と初期幻視
4 脳画像から考えるパーキンソン病の視知覚障害 - シンポジウム5: 感じられない、感じてしまう、違って感じる 聴覚
1 聴覚路の損傷による聞こえ方の変化 – 自験例の紹介 –
2 聞こえているのに聞き取れない – 聴覚と注意の関係 –
3 原発性進行性失語(PPA)と聴覚障害~自験例をふまえて
4 レビー小体型認知症の幻聴についての検討 - シンポジウム6: 感じられない、感じてしまう、違って感じる 身体・体性感覚
1 右半身を左側より小さく感じる – 脳梗塞後に体性感覚の錯覚を呈した一例 –
2 他人に触れられたと感じる – 左手足に重度の体性感覚障害を呈した右半球損傷例 –
3 感じないのに判別できる – 後部島- 頭頂弁蓋梗塞後の体性感覚障害例を経験して –
4 身体部位を正しく感じられない? – 脳梗塞後に身体部位失認を呈した一例 – - ランチョンセミナー1: アルツハイマー病の顕在発症前診断に向けて:その到達点と課題
- ランチョンセミナー2: 蛋白凝集・伝播メカニズムからみたレビー小体病の多様性
5.会員数(2023年8月31日時点)
理事22名、監事2名、幹事4名、代議員181名(理事、幹事は代議員を併任)
正会員3,684名、賛助会員2社、名誉会員24名、特別会員50名、購読会員236施設
6.機関誌名と年の発行回数
高次脳機能研究(Higher Brain Function Research) 年4回
7.事務局所在地
〒133-0052 東京都江戸川区東小岩2-24-18 江戸川病院内
TEL:03-3673-1557 FAX:03-3673-1512
E-Mail:office@higherbrain.or.jp